若者支援の重要性
困難な家庭で育った若者たちが自立を促すため、公的な事業としては、児童施設退所後等に共同生活を送る「自立援助ホーム」、生活困窮者自立支援制度の学習支援を軸として、子どもや若者が家庭環境に関わらず、自分が望む暮らしができるよう支援体制を整えてきました。制度外の相談や下宿などの生活の支援や就労支援をネットの居場所ポータルサイト「死にトリ」や休眠預金などの助成事業を組み合わせながら、必要な取り組みを進めています。
ここ数年は死にトリの活動や若者たちの当事者活動を通じて、釧路や北海道だけではなく、全国から支援を必要とする若者たちがつながってくるようになりました。背景には格差や孤立の課題があり、子どもたちを育む環境が厳しい家庭はさらに深刻化し、孤立を深めていく状況があります。
それは、本人や家族の問題ではなく、社会的な背景や課題が大きな影響を与えています。日本においては子どもは家庭で育てるべきであるという家庭の責任を問う考え方もまだまだあり、社会的な支援の整備も不十分です。
そんな中で、支え育む機能が失われてしまった家庭で育った子どもや若者たちが自分の力ではどうすることもできずに、様々な機会を奪われ、自立のチャンスを十分に与えられないまま「自立しなければならない」社会的なプレッシャーを受けています。
ネットワークサロンでは若者たちにまずは安心で安定した生活基盤と学習や生活スキルを身につける機会が保障され、それぞれの持っている力を発揮できるような活動・仕事の提供とトータル支援の仕組みをモデル事業を組み合わせながら構築してきました。
これからも、若者たち自らも参加しながら自分らしい自立ができるための支援体制を創造する取り組みが期待されています。