虐待防止研修実施中です

新しい年になりました。年度も最後の3カ月になってから慌ててやってる感がありますが、1月中旬から虐待防止研修を実施中です。

虐待防止研修は障がい福祉サービスに従事する人はもれなく(正職員パート、アルバイトを問わずはもちろん事務員さんや運転手さんなども対象です)やることが義務付けられていますが、どんな研修をどのようにやるかがとても悩ましいです。

義務の研修となると、「やれと言われるからやります」「やらないと怒られるからやります」という発想になりがちですが、実際に虐待を防止するための機会にしないと意味がないのであれこれと考えました。

ここ数年、動画視聴のシステムが格段に発展したので、現場の職員が一斉に集まるのも大変なことから、動画視聴タイプも導入してみました。ただ、現場職員の中にはハイテクについていけない人もたくさんいたり、何よりも聞きっぱなしの一方的な知識提供には限界を感じていました。

そんな中で、今年度、月1回のマッチング交流会の様子が私の中ではヒントになりました。

昨年度までは毎月事業所のリーダーが集まり、報告や共有をしていたのですが、今年度は毎回事業所から毎回違う職員に出てきてもらい、年間通して正職員全員が参加できるようにしました。

1時間という限られた時間ですが、普段あまり顔を合わせないメンバーが少し緊張感をもって、報告し合う時間は少しだけ視野が広がる機会になっているように感じています。

いつも同じメンバーで同じ事業所で利用者さんの顔ぶれも変わらない中で生活支援をやっていると、見える世界が限られてきて、視野狭窄になりがちです。

自己紹介や事業所の様子に加えてそれぞれの現場の虐待のリスクや感じることなどを自分なりに考えて話す機会は貴重だと思いながら実施をしています。(この集まりがネットワークサロンとしての虐待防止委員会として位置付けています)

誰かから話を聞くだけだと、どこか他人事のような話を何となく聞く形になりますが、自分がどう感じるのか、どう思うのか自分の問題として捉える機会をいかにつくるかというのが虐待防止研修のポイントと考えました。

そんなこんなと考えた結果、30分の動画視聴と30分の意見交換で1時間の集合プログラムにして、事後にレポート作成をする形にしてみました。

見る動画としては厚生労働省で公開しているこちらを選びました。

一定程度の知識や理解も必要なのですが、それ以上に理念や考え方が大切なので、それをバランスよく端的に伝えるものはないかと探していて、「これだ!」と思いました。

話をしている野澤さんは重度の自閉症のお子さんをもつ親の立場でもあり、新聞記者の仕事を通じて障がい者問題に関わってきた経験もあります。

全国で初めてできた千葉県の障がい者条例(障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例)をつくる動きにも参加していたこともあり、当事者意識に基づいて、障がい者の権利について問いかけてくれています。

今のところ、1月17日、18日の2回開催しましたが、それぞれのグループで興味深い話題が出ていました。

事後レポートの内容はホームページでも紹介することもあるよ、と伝えていますので、実施後(2月9日が最終回です)にお知らせしようと思っています。