障がい福祉サービスの利用に際して「サービス等利用計画」を作成することになり、徐々に拡大、浸透してきました。まだ、制度設計の課題から計画作成と既存のサービス調整への役割にとどまっている現状がありますが、本来の相談支援としてあり方が問われています。

相談支援機能はネットワークサロンの役割の中核と言えます。制度事業やモデル事業になるならないに関わらず今までずっとニーズをキャッチを意識してきました。だから、相談事業そのものよりも、各事業やサービスの日常の場でいかに「相談支援機能」を果たすかが実は大事なのです。

サービス等利用計画の意義

ここ数年、障がい児者を取り巻く制度は大きく変化をしています。2003年にスタートした支援費制度は財源確保に問題はあったものの、地域生活の可能性を大きく広げました。

さらに2006年にスタートした自立支援法から総合支援法などその後めまぐるしく体制の整備、調整は続いています。

その中で、注目すべきものに「サービス等利用計画」の作成があります。そもそも、地域生活において何よりも大切なのは「相談支援」であり、その体制強化の必要であると言われてきました。なぜなら、障がいは個人の問題ではなく社会との関係の中に生じるため、しっかりと一人ひとりのニーズを聴き取りそれに基づいて支援が展開されなければ、障がい児者が社会の事情や条件に合わせることになってしまうからです。

相談支援の重要性は理解されていたものの、制度の中での活用がうまくいかず、一人ひとりの夢と希望に基づいた支援が進められることが実現しませんでした。そうした背景から2015年から障がい福祉サービスを利用するすべての人たちに「サービス等利用計画」を立てる(オールケアマネ)になったわけです。

人材などや体制的に実現が厳しい部分はありますが、これは画期的なことです。今まで社会やサービスに合わせることが多かった障がい児者やその家族の思いにそった総合的な計画が考えられ、それに基づいた生活を実現する体制の基盤ができたことになります。

大事なのはこれから実際に地域でサービス等利用計画が形だけではなくそうした趣旨が理解された上で、有効に活用されることなのです。

相談支援に関しては、法定事業としてはいんくるがありますが、相談は事業として取り出してやるのではなく、各サービス全てに「相談支援機能」があり、日常の至るところで当事者の声や思いを受け止めることが何よりも重要であると考えています。