障がいがあっても地域で安心した生活を送るために、実際に生活拠点とケアを提供する「グループホーム」と一時的に提供する「ショートステイ」、一人暮らしの方に日常生活のちょっとした困りごとの対応を手伝う「自立生活援助」そして、自宅で生活する人に必要な個別ケアを届ける「ヘルパーサービス」があります。

柔軟な生活支援の難しさ

「居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、移動支援」や「グループホーム」、さらには「ショートステイ」は障がいをもつ人たちやその家族が当たり前の生活を送るためには非常に重要なサービスです。

当たり前を支えるためには日常的に気軽に柔軟に利用できることがポイントになりますし、なおかつ障がいの程度を理由に断られたり、利用が困難になったりすることは権利保障・擁護の観点から避けなければなりません。

しかしながら、障がいの程度に関わらず柔軟で気軽なこれらの個別的な支援を提供するためには、人材の確保や育成、手厚い支援体制の構築、制度の充実が求められるところですがその体制づくりには多くの課題があります。

例えば、重度の知的障がいや精神障がい、発達障がいのために行動面での個別の手厚いサポートを提供する『行動援護』はニーズは高いものの全国的にも担い手の養成が不十分で、釧路でも実施してくれるところが非常に少ない状況です。

また、医療的なケアなど常時手厚いケアが必要な人たちの在宅サービスは継続した提供が厳しく、いまだ多くの家族支援に依存している状況が続いています。

そして、そもそも日常的な外出も難しいことが当たり前になっています。例えば、日曜日の朝起きたらとても天気が良いので、釣りに行きたい、アイスを買ってきて食べたい、何ならちょっと散歩に行きたいと思ったときに多くの人は思い思いに行けますが、障がいがあるとそうはいきません。

一人で出かけられない人はヘルパーに依頼することはできますが、日曜日の朝に天気がいいからと言って電話をしてもヘルパーさんが来てくれることはほぼ難しいのが実情です。

障がいが重度で介護が高いほど、気楽に出かけることはより難しく、それを実現するためには家族が頑張るしかなくなります。

ネットワークサロンでもできる限り障がい程度などに制約されずに必要性に基づいたサービス提供をしたいと考えていますが、人材不足など体制の限界からニーズにお応えできない場合も出てきています。

今後、多くの人たちの理解や協力のもとに充実できるような体制づくりや提言を続けたいと思っています。