新人職員からのレポート
7月になりましたが、涼しい釧路も年々暑さが目立つようになっています。
昨年度は法人全体の事業所にクーラーを設置したので、今シーズンはかなりの活躍が予想されます。クーラー設置で随分とお金をかけましたが、今年度はそれに加えて電気代もちょっと怖いのが運営側の本音です…苦笑
さて、今回はこの4月に入社した二人の職員にレポートを書いてもらったので、紹介します。二人とも地元釧路出身で地元の釧路公立大学に在学中にネットワークサロンとつながり、学生時代からのアルバイトを経て正職員採用となりました。
地元の大学の新卒採用は私の記憶では2003年以来初めて?だと思われます。
福祉現場は人手不足も深刻ですし、地元の若者たちは市外に出ていくことも多いので、地元から若手が就職してくれるのは本当にありがたく、嬉しいことでした。
今後もつながってほしいという思いもあり、本格的に働き始めて3か月が経過した二人から率直な声を書いてもらいました。
最大のいいところは…(多機能事業所ぽれっと勤務)
私は、他の多機能型事業所で就労支援の仕事をしている母に影響され福祉業界に興味を持ちました。大学生の時の就職活動が上手くいかず、母に相談したところ母が以前一緒に働いていた方がネットワークサロンのことを教えてくれたことがきっかけでサロンに出会いました。そこから、サロンの代表の方や就職先となった多機能型事業所ぽれっとのサービス管理責任者の方とお話をさせていただき、2024年6月よりアルバイトを始めることとなりました。
アルバイトは週に3日労働時間は約5時間でした。他にもアルバイトをしていたため話し合いをしてこのシフトに決めました。介護の現場を初めて見て驚きや支援の仕方に対する興味、楽しさ面白さがありました。アルバイトの時の業務内容は、地域活動センター親子の家を利用する幼稚園児への支援、ぽれっとでの支援(創作活動を通しての関わり、入浴介助、食事介助)です。初めてのことだらけで不安がたくさんありましたが、緊張している私のところに来てコミュニケーションを取ってくれた利用者さんと私が自信をもって支援できるまで同じことを何度聞いてもしっかりと教えてくれるスタッフの皆さんのおかげで楽しく働くことができました。
2025年4月から正社員となり、支援について悩むこともありますが毎日楽しく働いています。係分けで企画係となり、ぽれっと内でどんな企画ができるかを話し合う時間が楽しいです。最近では、5~6年ぶりに外食に行き、普段では見られない利用者さんの様子を見ることができました。外食以外にも、パンを作っている就労支援施設と連携してぽれっとでのパン販売に向けて準備をしています。新入社員の私でも思ったことを言える環境があるところがぽれっとのいい所だと思います。ぽれっとの職員の年齢層は幅広いですが、10代20代はとても少ないです。今でも楽しいですが、同世代の人とも働きたいなと思うことがあります。介護の仕事は肉体的にも精神的にも大変なことがあるけれど、それ以上に利用者さんと一緒に過ごしたり利用者さんの特性から支援について考えたりすることに私はやりがいを感じます。
最後に、サロンの最大(私にとって)のいいところをお伝えします。
ネイル、髪色自由です!!
自分の成長を感じながら(コミュニティホーム大川勤務)
こんにちは。私は自立援助ホームぽれぽれで事務員として働いています。
ネットワークサロンと出会うきっかけや、正職員として働いてどう感じているかなどを書いてほしい、とのことでPCモニターと向き合いながら自分自身を振り返ってみようと思います。
まずはネットワークサロンと出会ったきっかけについてです。それは私が釧路公立大学の学生だった2023年の12月に、ネットワークサロンの代表がゲストスピーカーとして講義に招かれたことでした(近況報告の過去記事にもあるかと思います)。
事前の周知によって市内で活動しているNPOの代表が来てくれるらしい、ということは知っていましたが、正直なところ「ありきたりな話しかしないだろう」「マイノリティ側だと自覚している私にとって身になる時間になるだろうか」と思っていました。私自身、早産などが原因で右耳が聞こえないといった複数のバッドステータスを負っていますが、そんなマイノリティ人間が何かを得られる場にはならないだろうと斜に構えていたのです。
しかし当日の講義で「社会的優位性」の話を聞いたとき、その考えが吹き飛びました。その数日後には「何かを変えられるかもしれない」と、不安や恐怖と戦いながら求職場のフォームからコンタクトを取ったことを思い出します。
そこから直ぐに、コミュニティーホーム大川(自立援助ホームぽれぽれはこの拠点の一部になります)の見学が決まりました。下旬に3日間ほど見学したのち、年明け(1月中旬ごろ)からはボランティアとして業務を担当することになり、その後2月からはアルバイトとしてシフトに入りました。人生初のアルバイトでしたが、夕食の準備や風呂の準備・掃除をメインとして様々な人に教わりながら自分のペースで仕事を進められたことが、とてもありがたかったです。突発案件の対応などもありましたが、周りの人たちに助けを求め何とか解決するなど、様々な人たちとの交流から様々な学びを得たアルバイト期間でした。またそれと同時に「就職するならここで働けないかな」ともぼんやり思っていました。
当時就活生でもあった私は就活に明け暮れることはなく、そのまま大川のアルバイトとして1年を過ごし、卒業論文のみと格闘しながら2024年を終えました。
そして2025年を迎えます。前事務員の定年退職に伴い、正職員として業務の大半を引き継ぐことになりました。特に2月と3月は前任者からの引き継ぎを受けながら、どのような仕事があるのか知識を得ていきます。施設全体に関することや、入居者個人に関することなど、多種多様な仕事が待っていました。
大学卒業後の4月からは正職員となり、社会人1年目から思ったより忙しい毎日を過ごしています。しかしそんな中でも、自分なりのToDoリストを作成したり、周りの職員にとにかくヘルプを求めたりしながら、目の前の仕事に少しずつ取り組めています。電話応対に始まり、ドキドキしながら関係機関へ送付した書類が無事に受理され、仕事が前に進んだ時などは大きな達成感に包まれます。小さな自分が一歩ずつ成長しているのをはっきりと自覚しながら自分のペースで働けていることは、私にとって大きな自信と経験につながっています。
入社から3か月ほどが経ち、自分の弱さやその時の気持ちを表に出すことも重要だと気付いてきました。「気持ちをひた隠しにするよりも、少しだけ表に出すことで悩みが解決するらしいぞ」と思えるようになったことは、新たな成長につながると感じています。これから先も様々な経験を通して、ほんの少しずつ成長していきたいと思います。
二人とも率直な気持ちを書いてくれたのが伝わってきて、何だか読んでいて嬉しくなりました!
二人の新卒者以外にも、多機能事業所ぽれっととぽれっこ倶楽部では、ここ数年は自らの生きづらさをきっかけに相談経由でつながった若手や就労支援で働く若者たちが増えています。
学びの機会や話し合いの機会も増えています。ぽれっとでは月1度のミーティングや祝日を活用して学びの時間を持っていますが、若手の素朴な疑問や活発な意見から、学びが深まっている様子がよく伝わってきます。
人手不足の問題は今後も続くと思いますが、こうしていろいろな若者たちが自分らしく働くことができるように現場と一緒に学び続け、成長し続ける支援現場を作っていきたいと思います。