新しい休眠預金事業が始まりました
10月から新しい助成事業が採択されました。
事業名は「カミングアウトから自己表現へ 真の社会参加創造事業」~共生社会のアバンギャルドと探求する社会変革~です。
今年の3月まで大変お世話になっていた休眠預金事業が終わり、若者支援を何とか継続してできないかと探していたところで、新たなプロジェクトに向けて企画していた事業が通りました。
助成金の分配団体である認定NPO法人北海道NPOファンドとしての趣旨は発達障がいとセクシュアルマイノリティのダブルマイノリティを対象として、働き方や生きかたを受け入れ応援する地域コミュニティづくりをするものなのですが、私たちとしてはこれまでの若者支援の実践をもとに自分たちらしい内容として構想しました。
ポイントは「共生社会の啓発のレベルアップ」で、言い換えると社会におけるマイノリティ理解の質的な転換を目指しています。
今のマイノリティ啓発はマイノリティの存在や置かれている状況をマジョリティに理解してもらい、マイノリティが安心できる居場所や職場を作ることが基本的な考え方になっています。
マイノリティとマジョリティという表現を含めて一定の区別やカテゴライズが理解や啓発のために必要な半面、それは同時に差別や偏見の要因になったり、マジョリティとマイノリティが別物として認識される懸念もあります。
私たちはそこから一歩踏み出して、本来セクシャリティや発達はグラデーションであり、全ての人に関係することであるので、マイノリティだけに着目するのではなく、マジョリティとマイノリティは地続きであることを前提に、両側からの啓発を進めることが大切だと考えました。
マイノリティが自らのマイノリティ性について語るときに「カミングアウト」という言葉が使われますが、カミングアウトは社会の価値や認識がそうさせているだけで、本来は「当たり前に語り・受け入れる(自己表現)」ことが普遍性なので、誰もが自己表現できる地域社会を目指そうというものです。
期間は2023年の10月から2026年2月28日までの2年5か月間です。
事業の四本柱としては「マイノリティ研究所の開設と運営」「当事者からの経験談募集やヒヤリング」「当事者の語りをもとにした研修教材の作成と提供」「マジョリティ向けの講座や理解促進のツール開発」があります。
マイノリティ研究所の活動を軸としてマイノリティ側からのアプローチが経験談やヒヤリング、マジョリティ側のアプローチが講座や理解促進のためのツール開発、そして両者の中間にあるのが教材の作成というイメージです。
早速、マイノリティ研究所となる一軒家や居住支援拠点となるアパートなどの契約を進めていますが、来週あたりから各拠点の整備が始まる予定です。
もう少し事業の詳細が見えるようになったら、続報をお知らせしたいと思います。