(4)ネーミングあれこれ

わが社の正式名称は「特定非営利活動法人地域生活支援ネットワークサロン」。文字数にして 25文字、かなり長い名前です。2000年4月にマザーグースの会から事業体として独立する際に悩みに悩んでつけました。イメージとしては「つながる」「むすぶ」「ネットワーク」などがあり、あやうく「おむすびの会」になりそうになった瞬間もありましたが、名前を見てやっていることがすぐにイメージできるものにしようとこれに決まりました。ただし、長いことで実務上不便なことも多く(社印を作ったときの値段でまず後悔)、欲を言えばもう少しコンパクトにすべきだったとは思っています。

 次のネーミング機会は「デイサロン ぽれっと」。初めて運営する作業所の名前としてこれまた考えぬきました。スワヒリ語の「ぽれぽれ」=のんびり、ゆったりという意味の「ぽれ」に人、場所の意味をこめて「と」をくっつけた造語です。集まる人たちが自分たちのペースでのんびり、ゆったり過ごすことができるようにという思いが込められています。

その後はしばらく安易なネーミング期に入ります。「ぽれっこ」は当初「障害児等学童クラブ」でしたが、名称をそろそろ考えようと現場スタッフにお任せしたところ「決まりました!ぽれっこです」と決まり、グループホームは何となく語呂から「ポレスト」(マンションアパートの名前にクレストとかありそうでしょう)に、デイサロンぽれっとが分家するときには就労支援メインのところを「ワークサロンぽれっと」に、ぽれっこが増える時に至っては第2、第3、第4と続く安易さ(第6まで増えましたが、数年前に1カ所になり「ぽれっこ倶楽部」で落ち着きました)。ぽれっとはやがてデイサービスになるときに地名がついて「貝塚ぽれっと」「鳥取ぽれっと」。これはかなりの失敗で、いつまでも同じところに事業所がない自分たちの特徴に配慮しなかったためやがて春採にある「貝塚ぽれっと」、柏木にある「鳥取ぽれっと」というねじれ問題を引き起こしました(その後、事業は生活介護と就労Aの多機能事業所に統合されて、「ぽれっと」になっています)。

利用されている方たちが考えた名前がいくつかあります。それは総じて素敵です。「オアシス」はデイサロンぽれっとが3つに分家した 2002年当時の利用者さんが、「クローバー」は当時女子高生の下宿人だったAちゃんが、「ザックル」はぽれっと準備室の時代からサロンに関わっているMさんがそれぞれ名付け親ですが、どれも雰囲気が出ていてすっかり定着しています。

ちなみに、「冬月荘」はもともとのほくでん社員寮の名前を引き継ぎ、苦労はしませんでしたが、「まじくる」は活動でつながった西宮で認知症家族の集い場を運営する丸ちゃん(素敵なおばちゃん)が会議で「これからは、まじくらなあかん(いろいろな人たちが混ざりあわなければならない)」と言っていたのを拝借し、地域起業創造センターという表現は前の公立大学の学長の小磯先生が授けてくれました(冬月荘も地域企業創造センターもその後に役割を終えて、今ではなくなってしまいましたが)。  

ネーミングは悩むことも多いですが、こうして振り返るといろいろな人たちの思いや出会い、つながりの中で生み出されたものだと再認識します。