休眠預金の助成を受けて事業を実施するにあたり組織運営に関する「規程」の整備が必要となりました。
必要とされた規程としては以下の通りです。
①社員総会・評議員会の運営に関する規程
②理事会の運営に関する規程
③役員及び評議員の報酬等に関する規程
④職員給与等に関する規程
⑤理事の職務権限に関する規程
⑥倫理に関する規程
⑦利益相反防止に関する規程
⑧コンプライアンスに関する規程
⑨公益通報者保護に関する規程
⑩情報公開に関する規程
⑪文書管理に関する規程
⑫リスク管理に関する規程
⑬監事の監査に関する規程
⑭経理に関する規程
⑮組織に関する規程
そのうち、①、②、③、⑭の一部は定款に定められています。
①と②を補うために休眠預金活用事業に係る規程(1)を整備しました。
④と⑤の一部は就業規則に定められています。
⑥、⑦、⑧、⑨のために休眠預金活用事業に係る規程(3)を整備しました。
⑭のために休眠預金活用事業に係る規程(4)を整備しました。
そのうえで、⑤、⑩、⑪、⑫、⑬、⑮の整備が必要でしたが、理事会でも議論をして、もう少し時間をかけることにしました(と言っても、休眠預金事業の実施期間は3年あったので、時間があったではないかと言われてしまいますね…事業に取り組むだけで精いっぱいだったので、規程整備が後回しになってしまっていたことは事情があります)
今回、改めて理事会で話し合い再認識したのは、規程は本来公正で健全な組織運営をするための道具であり、道具を整備するのであれば、目的に対して使えるものをつくる必要があり、誰かに言われたから作るものではないということです。
とはいえ、誰かに言われないと考えるきっかけも、整備するきっかけも少なかったことも確かです。休眠預金事業の実施にあたり、改めてコンプライアンスを意識したり、不正が行われないような事業の実施についても考える貴重な機会をもらいました。
一方で、コンプライアンス(法令遵守)や組織の公正で健全な運営の実現は簡単ではありません。
例えば、数年前に運営上、大きな問題が起こり、それを機に社会保険労務士さんにも相談して、就業規則の中に「競業避止」に関する内容を取り入れたり、服務規程をかなり細かくしたのですが、それをつくったからといって守られるようになったり、運営がしっかりできるわけではありません。
また、虐待防止法が施行されて、福祉現場における虐待防止策が求められていますが、法令で定めているように研修をすれば単純に減ったりなくなったりするわけでもありません。
また、休眠預金事業で懸念されている不正とは組織の一部の人間が自分や特定の関係者に利益誘導してしまうような運営をすることです。世間では社会福祉法人や医療法人、学校法人など公益的な事業をする法人が一部の役員が利益を不当に得るようなことが多くみられます。それほど、珍しいことでないかもしれませんし、実際に組織の運営をしていて、やろうと思えばやれてしまう実態はわかる気がします。
ネットワークサロンでは法人設立以来、理事が何か得をすることはなく、むしろ理事会ほか事業所見学などに協力してもらった際にも報酬や日当、交通費も払っていない(それはそれであまりいいことではないのですが…)状況で、本当に自主的な善意で協力をしてもらっているのが法人文化です。
私も2008年5月に職員として退職をしてからは、非常勤理事(一時期、事務局顧問という名前だったこともありますが)として、運営に協力したり、一部の事業を本当に最低限のお金でやっている状況です。職員でもないけれど、24時間365日何かあれば時には夜中に緊急対応もしますし、大変な若者を受け入れた時には毎日一緒に泊まり込むこともあります。でも、それは仕事ではなく、自分のライフワークだと思っています。
おそらく、ネットワークサロンの役員の皆さんたちは、程度の差はあれど、自分のライフワーク(とまではいわなくても、自分の問題意識から主体的な活動)として、法人運営に携わっていて、それが組織運営の文化や体質を作り出しているのだろうと、20年以上やっていて、感じています。
同じように職場としての現場においても、就業規則やその他の規則はありますが、どのような姿勢でどのような現場が日々動いているかによって、現場の文化や体質があり、それをどう作っていくのかが健全な組織運営には一番大切だと思います。
その中で「規程」をどう備えて、それをどう活用するのか。今年度のテーマとして取り組みたいと思います。
そもそも、NPO法人という法人が1998年に制度化され、誕生し、その趣旨やあり方の真価が問われているのだろうと思っています。
休眠預金活用事業に係る規程(1)
特定非営利活動法人地域生活支援ネットワークサロンは、組織として休眠預金活用事業に係るガバナンス・コンプライアンスを確保するため、以下の事項について定め、これを遵守する。
続きを読む休眠預金活用事業に係る規程(3)
特定非営利活動法人地域生活支援ネットワークサロンは、組織として休眠預金活用事業に係るガバナンス・コンプライアンスを確保するため、以下の事項について定め、これを遵守する。
本規程に定める規定が、従前の規定と矛盾し又は抵触する場合には、本規程の定めが優先する。
休眠預金活用事業に係る規程(4)
特定非営利活動法人地域生活支援ネットワークサロンは、組織として休眠預金活用事業に係るガバナンス・コンプライアンスを確保するため、以下の事項について定め、これを遵守する。
本規程に定める規定が、従前の規定と矛盾し又は抵触する場合には、本規程の定めが優先する。
特定非営利活動法人 地域生活支援ネットワークサロン就業規則
当法人の就業規則です。
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