大芋ほりイベント

農作業の効果

気づいたら11月になってしまいました!できるだけ、前の月の活動報告をよく月初めにはお伝えしようと思っていたのに、1カ月以上経ってしまい…苦笑

遅ればせながら9月半ばに実施した芋ほりイベントをお伝えします。

法人の活動の一環として、農作業に取り組んでいます。一時は農福連携の補助金をもらい、それなりに本格的に実施をしようとしたこともありましたが、農業を継続的に実施する体制を安定的に作ることが難しく、今は活動プログラムの一つとして細々と行っています。

農園は釧路から150キロほど離れた斜里町にあります。そこに週1回農作業の手伝いに参加し、収穫した野菜を給食の食材としてもらうという形です。

法人としては、「農作業」という活動プログラムを必要に応じて活用させてもらうことと、無農薬の美味しい野菜を給食で使えるメリットがあります。

今年は特に物価高騰が進んでいることから、新鮮で安全な野菜を使えることはありがたいことです。

そして、野菜以上に貴重な資源となっているのは「活動プログラムとしての農作業」だと私は思っています。

農園の場所や形はいろいろと変わっていますが、2004年に市民農園を借りて始まった農作業のプログラムは20年が経ちますが(改めて整理してみると20年ってすごいですね)、プログラムに携わった人たちは本当にたくさんいて、顔が浮かんできます。

それだけ、農作業は私たち人の心身を回復させ、成長を促してくれる効果があります。

特に幼少期から心身にダメージを受けてトラウマに苦しむ若者たちにとって、自然の中で美味しい空気を吸い、太陽を浴びながら黙々と作業をして、育っていく野菜を見守る経験は貴重なものなのです。

愉快な仲間たち

そんな魅力あふれる農作業ですが、普段は週1回の作業のところ、毎年9月には「芋ほり」に特化したスペシャル部隊が必要となります。

ここ数年、援助ホームの若者+αで若者たち4~5名を集めて行っていたので、今年度もどこかのタイミングで行こうと企画を立てたところ、いろいろな人たちがつながり、20名以上の大所帯になりました。

どんなメンバーなのか改めて整理してみると…法人で働いている人(形態として雇用契約を結んでいる人)が14人いました。

でも、どの顔ぶれも「職員?」というより、何らかの縁で法人につながった生きづらさを抱える若者たちであり、正職員も数名いますが、アルバイトやA型雇用の若者もいます。

14人も職員がいるのなら、職員の有志が芋ほりに行きました…という表現にもなるかもしれませんが、そういうイメージはありません(笑)

利用者という側面から改めて整理してみると…14名いました。

働きながら利用もしている(グループホーム、就労継続支援A型、援助ホームの利用者、下宿や短期滞在などとして資源活用している)人が8名いました。

それだけ利用者がいるのなら、利用者さんを連れて行事に行きました…という表現もあるのかもしれませんが、そういうイメージもまったく当てはまりません(笑)

地元の大学生のボランティアがいたり、別の相談事業からつながり、普段は学校で働き法人の拠点で暮らし、大川の泊まりを手伝ってくれている若者がいたり、大阪からインターン的に滞在している大学生もいます。

そこに、職員の家族や犬2匹も加わり、年齢も小学生から70代までと、あえて表現するなら「愉快な仲間たち」でしょうか。

とにもかくにも、ネットワークサロンらしい…と言えばそうなのかもしれません。

芋ほりの様子

最後にちょっとだけ、芋ほりの様子を紹介します。

当日はあいにくの雨で、芋ほりができるのか?と危ぶまれましたが、何とか作業を終えることができ、簡易的にやろうと思っていたお昼ご飯のバーベキューもかなり本格的な実施となり、それぞれのペースで参加したり、しなかったりと思い思いに過ごしていました。

先日、別の仕事の会議で「労働と活動の違い」という話題が出ていましたが、まさにこの芋ほりは雇用契約上の労働ではないけれど、広い意味での労働であり、活動であり、どちらかはさておき、みんなにとってとても貴重な経験であもあり、時間でもあったと思っています。

世の中としては、「それは仕事なんですか?」と聞かれたり、「やりがい搾取」などという言葉もあったりしますが、契約やお金というしがらみを超えたところで、人として生きる上で必要な営みが対話や合意の下でバリエーションをもって増えていくことが大切だなぁと思うこの頃でした。