つながり力発揮の7月

7月7日に今年度から新たにスタートした広域相談支援体制整備事業の講演会を行いました。

この事業は釧路管内で活動をする地域づくりコーディネーターという専門職を配置し、障がい福祉分野の相談支援体制の体制整備や地域づくりを推進するものです。

関係者向けの研修もその一環として位置づけられていて、どんな研修会を行うのかは実施主体の私たちの企画力にかかっています。

そんな中、ここ数年お世話になっている発達支援のサポーター経由で大阪医科大学LDセンター顧問の竹田契一先生とNPO法人えじそんくらぶの高山恵子さんが北海道に訪れたい意向があることが分かり、講師をお願いすることができました。

タイトルは「発達障がいの理解と対応」~当事者から見た相談や支援の難しさ~

ということで、発達障がいに関する理解を深めようというのがねらいです。

講師のお二人は、その分野においては日本国内の第一人者です。しかも竹田先生はご高齢でもあり、北海道で直接話を聞く機会はめったにない貴重な企画です。

これまでの連携の蓄積を活用し、豪華な研修を開催することができました。

あまり準備の時間がなかったものの、あちこちに声をかけて、当日は約100名の参加がありました。(教育委員会が周知の協力をしてくれたことから、学校関係の参加が多かったです)

くしろせんもん学校での講義の写真。体育館のステージの奥にスライドが投影されていて、100人ほどが並んだ椅子に座って話を聞いてるところを後ろから撮影している。

会場は「くしろせんもん学校」です。本事業の従事者が非常勤講師をやっていることから、会場を貸してもらう話が進み、研修会も共催することになりました。

地元の福祉系の高等教育機関で介護現場の専門職を養成する学校との連携は地域づくりの観点から、有意義なコラボの機会です。

人材不足が深刻な福祉現場にとって人材育成はとても重要なテーマなのです。

校舎はかなりレトロで会場となった体育館の様子も昭和育ちの私としてはとても懐かしく、重い机といすをたくさんの人たちと運び、ぞうきんで拭いて、会場設営を行いました。

専門学校の先生たちはもちろん、この事業を委託元の釧路総合振興局の皆さんも日曜日に関わらず、たくさん運営の応援に来てくれました。

また、ネットワークサロンの主に放課後等デイサービス関係の若手スタッフ、サポートしている若者たちにも声をかけ、実にバラエティ豊かな顔ぶれにより運営が進みました。

メイン講師の竹田先生は御年86歳…驚くほど、お元気でした。

竹田先生が講義をしている場面の写真。竹田先生がノートPCを操作しながらマイクを持っている。後ろにスライドが投影されている。

今回の北海道は6年ぶりだったそうですが、「来年も来たい」と言ってくれて、そのバイタリティに敬服しました。

https://www.schoolweb.ne.jp/weblog/index.php?id=2770001&type=2&category_id=3637

(竹田先生が発信しているサイト 北海道の様子も紹介されています…今どきの個人情報云々とは無縁で実名紹介や写真など満載です!)

1時間の持ち時間では全く時間が足りず、聞くところによると、必要時間は3時間が標準だそうで、こちらの時間設定の甘さをただただ痛感。

そして、高山さん

高山さんが講義をしている場面の写真。後ろにスライドが投影され、高山さんは身振りを交えて解説している。

https://e-club.jp

(えじそんくらぶのサイトを紹介します)

高山さんも語りたいことが山ほどあり、45分の持ち時間ではやっぱり足りませんでした。

お二人とも消化不良のまま、残り時間わずかな中でのトークセッション。

トークセッションの場面の写真。足寄の佐々木さんが右側に座ってトークを進行している。左手には左から竹田先生と高山さんが並んで座っている。

いつもお世話になっている、足寄の佐々木さんのコーディネートでお二人から追加のお話と、参加者からの質問に答える企画でしたが、本当に本当に時間が足りませんでした。

来年、もしまた来てくれるのなら、1日企画にして、しかも部屋を分けてじっくり現場の人たちと講師の皆さんが対話できる機会を作りたいと新たな企画を妄想する主催チームでした。

7月はほかにも24日に休眠預金事業の評価委員で協力してもらっている釧路公立大学の村上先生の1年生のゼミにネットワークサロンの職員や役員、関係者が8名が参加して、学生さんたちと「ケイパビリティ」をテーマにともにディスカッションするという機会もありました。

そして、7月は何といっても夏休みが始まり、放課後等デイサービスも朝から夕方までの長時間活動がスタートし、学習支援も夏休みの勉強会が始まります。

今年度は広域相談支援体制整備事業がスタートしたことから、釧路管内の市町村を訪問して、意見交換をする機会がありました。その際に、同じエリアを対象とする、学習支援のスタッフも一緒に市町村を訪問し、つながりが広がっています。

NPOとして、地域づくりを目指す法人として、事業を通じたつながりはとても大切で、それがないとネットワークサロンではないと再認識する7月でした。