ネットワークサロンでは、「自分らしく働きたい」「自分の力を発揮して、何かしらの社会貢献をしたい」という気持ちを持った方の相談を随時受け付けています。
事業所によっては、公式な求人(ハローワークや求人サイトなど)も出していることはありますが、それに関わらず、いつでも「働きたい」というニーズには向き合いたいと思っています。
これまで、法人として多くの求人を出し、面接などを行なってきましたが、一般的な採用の考え方(会社が一方的に条件を提示し、人を評価して選ぶ)にはどうも馴染めません。
かなり初期の頃から、採用決定のプロセスは会社と働きたいと思ってアクセスした人の話し合いと合意で協働決定するものだと思ってきました。
もちろん、会社としてこんな事業所のこのような仕事をしてくれる人が足りない、必要ということで募集をする求人というスタイルもありますが、それ以外にも、「私はこういう者ですが、自分の力を発揮できる場所はありますか?」「私はこんなことができます。自分を必要とするところはありますか?」と求人の逆(求職場かな?)の仕組みも同時にあってもいいし、面接も会社側が一方的に評価をするのではなく、働きたい人からも会社について質問したり、評価したり、いやお互いに評価というよりも意見交換や協議をして、合意できるか見出すという過程が大切なのではないかと思っています。
でも、世の中になぜか「求人」「採用試験」「面接」という会社が人を対象として、必要な枠の中にはまる人を探すという何とも、非効率的、非人道的?な仕組みが長らく続いていることにとても違和感があるのでした。
同時に働き方もあまり多様ではなく、労働契約を結び、時間を決めて、条件をかっちりと決めてそれに合わせるスタイルが主流です。
私は働く人の権利が守られることはとても大切だと思っています。今の社会においては労働者の権利について(それ以上に、そもそもの権利についても含めて)学ぶ機会がとても少ないため、理不尽な要求を一方的に受け入れてしまうなど、働く人の権利が守られない実態があることは改善しなければならないと思っています。
それと、同じように私は会社を運営する立場として、働く人を守ったり、職場そのものを守るために動いている人や組織も守られなければ事業は続けられないと思っています。
特にNPOの中でも制度の隙間や既存の仕組みではこぼれ落ちてしまう領域の仕事をしようとすると、会社として負担がかかることがあり、経営側には工夫や努力が求められます。
ネットワークサロンは発足以来まさにそうした領域の仕事を率先して進めてきたこともあり、そのためにいろいろな試行錯誤をしています。
その試行錯誤において、いつも大きな力として支えてくれたのは、「自分らしく働きたい」と願い、働き方を模索する人たちでした。
従来の働き方に違和感があったり、実際に働いても難しくリタイヤしていたり、そもそも就活や就職にハードルがある人たちです。
具体的には、自らや周囲が生きづらさがあったり、働くうえでの困難を抱えている人たちです。私自身も母子家庭で、重度の障がいがある長女の子育て、今は介護をしながら働いてきましたが、通常の会社勤めはとてもじゃないけれどできなかったと思います。
子育てや介護はもちろん、何らかの障がいをもっている、自分自身に苦手なことがある、負担に感じることがある、一般的なThe正職員という働き方を10としたときに、9なら働ける、7なら働ける、いや3ならできる、あるいは今日は10働けるけれど、別の日は全然働けないこともあるなど、力の出し方に個性がある人も無理なく力を発揮できたり、それをフォローし合う会社がもっともっと増えて行ったらいいのにと思っています。
それ以前に、人の力は「能力の協働性」といって、個々が持っている力そのものではなく、環境によって引き出され、評価されるものなので、働けるかどうかはその人の問題ではなく、環境の問題も大いにあると私は思っています。
とはいっても、私たちは資本主義の経済の中で生きているため、一定以上の成果をあげ、効率を考え、会社として生き残らなければ、職場としての組織を維持することができません。
だからこそ、働く人たちとともに考え、工夫していく職場が大切だと思っています。
ということで、こんなちょっとおかしな?考え方について、ここまで読み進められた人は少しは「そうそう、私もちょっと思ってた」とか「そういうのもありかも」と似たような気持がある人なのかもしれません。
同時に、「そんなのキレイごとだよ」とか「理想と現実は違う」と感じる人もいるかもしれません。でも、これからの時代は、慢性的な人手不足は避けられませんし、暮らし方、働き方も見直して、変わっていく必要があるので、みんなで新しい働き方を考えていくことはとても大切だと思っています。
また、ネットワークサロンではここ数年、家に居場所がない、今いるところで自立を目指すことが難しいため環境を変えるために釧路に移住してきて、働くことになった人たちもいます。詳しくは「釧路においでよ」をご覧ください。
コロナを機に、在宅ワークの可能性も広がりましたので、ますます働き方は多様になるのではないかと思います。
ここまで読んで、法人の活動や趣旨に興味を持った、多様な働き方を一緒に見つけたいなど、働くことに興味のある人は、こちらのフォームで求人の逆の「求職場」に申し込み、お問い合わせください。
法人として、こうした趣旨に基づいて、新しい働き方を提案し、人材育成をする講座をスタートしようと思っています(決意表明をして、自分を追い込んでいます!)。