【オンライン・現地ハイブリッド開催】11月29日(土)見えない当たり前を可視化し、「合理的配慮」について考えるー社会モデルから学ぶー
ネットワークサロンの主催で開催するイベントのご案内です。
休眠預金事業では、事業期間の集大成として、全3回の連続講座「SOSを出しやすい関係性をつくるための基礎講座」を企画しています。
これまで2回の講座(第1回・第2回)を実施してきたこのシリーズですが、第3回は11月29日に実施します。
第3回のテーマは、「見えない当たり前」をもとに社会モデルで考えることです。
この日のために作ってきた、自分と「見えない当たり前」の関わりを知るためのツールもお披露目する予定で、この事業の集大成的な内容になっています!
また、第1回と第2回はグループワークが多く含まれるため現地のみの開催でしたが、第3回はオンライン配信も行うことになりました。遠方の方や、さまざまな事情で現地には行きづらいという方も、ぜひお申し込みください!
開催概要
開催日時:2025年11月29日(土)13:00〜16:00(12:30受付開始)
開催場所:コア大空 学習室A(釧路市益浦1-20-20)(オンライン配信あり)
対象:こどもや若者と関わる支援者、学校関係者、そのほかこのテーマに興味がある方
費用:無料
定員:50名程度(現地)、100名程度(オンライン)
講師
松波めぐみさん
著書『「社会モデルで考える」ためのレッスンーー障害者差別解消法と合理的配慮の理解と活用のために』(生活書院 2024)
申し込みフォーム
講座シリーズについて
「SOSを出しやすい関係性をつくるための基礎講座」は文部科学省が推進している「SOSの出し方に関する教育」を意識して名付けました。「SOSの出し方に関する教育」は子どもたちが危機的状況に直面したときに適切な支援を求める行動がとれるようになることが目的の取り組みです。その目的に異論はないのですが、どうしてもそれ以前の問題への意識が強くなりました。それは、「子どもたちがSOSを出せないのは、SOSを出せる先が少ないからではないのか?」「SOSを出してもらえる大人になるにはどうしたらよいか?」ということです。
そのためのキーワードを「見えない当たり前(社会的優位性)」と名付けました。私たちの中にある「見えない当たり前」が知らないうちに困難を抱える人たちとそれを支えようとする人との関係性づくりを困難にしていると考えています。それは課題でもありますが逆に言うと、「見えない当たり前」に気づくことで、私たちは関係性づくりの可能性を広げることができるのです。「見えない当たり前」への気づきはあらゆるマイノリティへの理解を広げ、同時に今まで気づかなかった自分への理解も広げるものです。
「見えない当たり前」はそれぞれの当たり前を見つめて、出し合うことで知ることができます。そのために、この講座では第1回を「恋愛・性愛」、第2回を「コミュニケーション・感じ方」をテーマにします。従来の研修のテーマに言い換えると、第1回目はセクシュアルマイノリティの理解とも言えますし、2回目は発達障がいへの理解とも言えます。そして、第3回目はテーマを絞らずに幅広い「見えない当たり前」についてまとめの会を実施します。
SOSを出す必要があるのは子どもたちだけではありません。私たち一人ひとりが苦しいときに誰かにSOSを出せることがとても大切です。SOSをお互いに出し合い受け止められる地域社会をつくるため参加者のみなさんと学びの機会を共有したいと思っています。
第3回の背景 見えない「当たり前」の可視化と社会モデル
今回の休眠預金助成事業で取り組んできた「真の社会参加創造事業」では、「セクシュアルマイノリティ」と「発達障がい」のマイノリティ要素を両方持つ人たち(ダブルマイノリティ)に焦点を当て、生きづらさや支援や社会にあり方について研究と実践を進めてきました。活動の中でいつも議論になったのは、この二つのマイノリティの要素は代表的ではあるけれど、他にもたくさんのマイノリティ要素があり、活動を通じて出会う当事者もそれ以外のマイノリティ要素を持つ人たちも多く、「この二つだけの問題ではない」「マイノリティはいろいろでも、普遍性がありそう」ということでした。そして「マイノリティの問題はマジョリティ(みんな)の問題である」と確信しました。意識しないと見過ごしてしまう私たちのマジョリティ性が実は様々なマイノリティの生きづらさにつながっている…このプロジェクトからたどり着いた仮説をもとに、最終回では活動を通じて開発したマジョリティ性を可視化するツール「みえない当たり前チェックリスト」を使い、自らのマジョリティ性に目を向けます。
また、ゲストとして、「社会モデル」をキーワードに障がい者差別の問題に取り組む松波さんを招き、参加する皆さんと共にこれからの社会づくりのためのヒントを見つけたいと思っています。

