趣旨  

 私たちは障害をもつ子どもの親として、または障害当事者として、あるいは支援者やその仲間として、一緒に地域で生きようと共に歩んできました。そして、それぞれの活動を通して地域で暮らすことの大変さや不安を強く感じてきました。

 例えば、閉鎖的な環境の中で情報に振り回されながら子育てに不安を感じている母親たち。とりわけ子どもに障害がある場合には更に不安は強く、生きる力を失うこともたびたびです。そして、障害をもっているというだけで、幼児期から施設や特殊教育の場など、特殊な社会の中で生きることが当たり前になってしまう現実。学校教育を終えた後には生活の場も居場所も保障されていない現実。更に、根強い社会の差別や偏見。一方では、日々報道される子どもたちの荒れや犯罪が示すように、障害のあるなしや年齢、性別や立場に関わらず、誰もが生きることへの危うさや不安を抱えています。

 しかし、私たちは今までの活動を通し、どんな人も自分の人生を自分の手で創り上げる「力」を持っていることを確信しています。今、不安でいっぱいの現実の中にあって、ひとりひとりの力は小さく、できることも限られているかもしれません。でも、ひとりひとりがまた誰の代わりでもなくかけがえのない存在として、何かができることも確かです。私たちは地域で生きる中でぶつかるたくさんの壁に目をそむけず、諦めることなく、それらの問題を解決しようとする主体となることを決意しました。  

 誰もがいきいきとした生活をおくることのできる地域となっていくためには、人が集い、人が繋がり、情報が集まり、そこから新たな知恵が生まれる必要があると考えます。地域生活支援ネットワークサロンは、どんな人でも思いを語り元気を充電できる集いの場を提供し、そこに集う人たちを結びつけ、集まった情報をコーディネートします。そして、ひとりひとりの思いに応え、夢を着実に実現するために、釧路地域の「人」や「知恵」を総動員できるような、人と情報のネットワークを創っていく「強い意志を持った事業体」として構想し、設立します。

申請に至るまでの経過  

 1993年3月発足した子どもたちの健やかな成長を願う「マザーグースの会」から2000年に4月に事業体として独立。それまでの主なテーマであった障害児の子育てに限らず、広く福祉のまちづくりを目指すため、6月7日に地域生活支援ネットワークサロン設立準備会を開催し、各方面から意見をまとめ、その後地域生活支援ネットワークサロンの総会で討議決定すべき議題の整理、事業活動計画や予算案を作成し、総会を開催し、設立の運びとなりました。

2000年7月12日 特定非営利活動法人地域生活支援ネットワークサロン