【終了】10月11日(土)「感じ方・コミュニケーションの「当たり前」ってなんだろう?」自閉スペクトラム症から考える講座 講師:髙木美歩さん(立命館大学、『開かれる自閉』)

ネットワークサロンの主催で開催するイベントのご案内です。

休眠預金事業では、事業期間の集大成として、「SOSを出しやすい関係性をつくるための基礎講座」を企画しています。この「SOSを出しやすい関係性をつくるための基礎講座」は3つの講座を実施予定で、8月にはアセクシュアルやアロマンティックをはじめとする多様なセクシュアリティ(Aro/Ace)についての情報発信・調査研究団体、As Loop(アズループ)の三宅 大二郎さんに、「恋愛・性愛の『当たり前』」についてお話をしてもらいました。

10月11日(土)に開催予定の第2回のテーマは、「感じ方・コミュニケーションの 『当たり前』」です。

今回は、自閉スペクトラム症の当事者であり、研究・教育・支援を広く行う髙木美歩さんに釧路にきていただき、お話をしていただきます。当日は講義をふまえた少人数でのワークショップも行う予定です。

またとない機会ですので、ぜひ参加してください。

開催概要

開催日時:2025年10月11日(土)13:00〜16:00(12:30受付開始)
開催場所:コア大空 学習室A・B(釧路市益浦1-20-20)
対象:こどもや若者と関わる支援者、学校関係者、そのほかこのテーマに興味がある方
費用:無料
定員:50名程度

講師

髙木美歩さん
博士(学術)、専門は医療社会学。自閉スペクトラム症の当事者であり、研究・教育・支援を広く行う。
著書に『開かれる自閉:医者・心理学者・当事者のポリフォニー』(晃洋書房)

申し込みフォーム

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScNMPe3hPpdORys-Vy5Im637O3MPVY8TWsVIz1mu04mYvpoDQ/viewform?usp=dialog

案内チラシ

講座シリーズについて

「SOSを出しやすい関係性をつくるための基礎講座」は文部科学省が推進している「SOSの出し方に関する教育」を意識して名付けました。「SOSの出し方に関する教育」は子どもたちが危機的状況に直面したときに適切な支援を求める行動がとれるようになることが目的の取り組みです。その目的に異論はないのですが、どうしてもそれ以前の問題への意識が強くなりました。それは、「子どもたちがSOSを出せないのは、SOSを出せる先が少ないからではないのか?」「SOSを出してもらえる大人になるにはどうしたらよいか?」ということです。

そのためのキーワードを「見えない当たり前(社会的優位性)」と名付けました。私たちの中にある「見えない当たり前」が知らないうちに困難を抱える人たちとそれを支えようとする人との関係性づくりを困難にしていると考えています。それは課題でもありますが逆に言うと、「見えない当たり前」に気づくことで、私たちは関係性づくりの可能性を広げることができるのです。「見えない当たり前」への気づきはあらゆるマイノリティへの理解を広げ、同時に今まで気づかなかった自分への理解も広げるものです。

「見えない当たり前」はそれぞれの当たり前を見つめて、出し合うことで知ることができます。そのために、この講座では第1回を「恋愛・性愛」、第2回を「コミュニケーション・感じ方」をテーマにします。従来の研修のテーマに言い換えると、第1回目はセクシュアルマイノリティの理解とも言えますし、2回目は発達障がいへの理解とも言えます。そして、第3回目はテーマを絞らずに幅広い「見えない当たり前」についてまとめの会を実施します。

SOSを出す必要があるのは子どもたちだけではありません。私たち一人ひとりが苦しいときに誰かにSOSを出せることがとても大切です。SOSをお互いに出し合い受け止められる地域社会をつくるため参加者のみなさんと学びの機会を共有したいと思っています。

ASD(自閉スペクトラム症)について

発達障害者支援法が制定されて、ちょうど20年が経ちました。最近では発達障害やASDという言葉はずいぶんと普及し、認知度は高まっているように感じます。2016年の改正においては、多様性の一つとして理解され、尊重されることの重要性も強調されるようになっています。しかし、ASDの方たちへの理解が進んでいるわけではない実情もあります。差別や偏見も少なくありません。その背景には、ASDの方たちの感じ方や理解の仕方など、違いが分かりにくいことが挙げられます。また、目に見える行動が社会的な規範や当たり前に照らし合わせたときに一方的に悪い評価を受けてしまったり、マジョリティの感じ方を前提として誤解を受けることも多く、思ったよりもASDと非ASDの間ではすれ違いや相互理解の難しさがありそうだと感じています。

今回は「コミュニケーションの当たり前」をテーマに、多様な人たちがお互いを尊重しあえるための関係づくりについて考えてみたいと思います。

今後の予定

第3回11月29日(土)
テーマ:見えない当たり前を考える
講師:松波めぐみさん(大阪公立大学)