2月マッチング交流会報告

早いもので、今年度も残すところ約1カ月となりました。

ホームページをリニューアルして、何かしらの情報発信をリアルタイムで行っていくつもりが月日はどんどん過ぎてしまい、こんな時期になりました!
2月10日に今年度から毎月実施している法人内の「ニーズのマッチング交流会」を行いました。そこで感じたこと、話題になったこと、そこから改めて感じた大切な視点についてお伝えします。

「必要に迫られた」ITの活用

 コロナの状況を踏まえて、先月から全面的にZoomで実施しています。また、法人としてGoogleワークスペースの活用を始めたので、提出する月報をGoogleドキュメントにしました。これまで、それぞれから集めて1つのファイルに合体して印刷する作業に手間がかかっていましたが、それらの手間が省けてとても楽になりました!

 また、顔を合せられないデメリットもありますが、各事業所の現場から参加することで、ぽれっとからは最近入社した新人さん(19歳)に顔を出してもらい、話を聞くことができたり、コロナで保育園が休みになってしまって勤務できないスタッフも参加できるなど、メリットもあります。業務で抜けるのが難しくても、移動せずに、可能な時間帯だけでも顔を出せるのでもいいので、時間のコストを省けるのは助かります。交流会でも毎回話題になりますが、介護の現場はどこも人手が足りないので、現場以外のことでスタッフが抜けることそのものが簡単ではない現実があるので、ITの活用はこの後も大切になりそうです。

 ITの活用に抵抗感や苦手意識のあるスタッフもまだまだ多いですが、少しずつ慣れてきた様子です。私も、年齢の割にはITに強いなどと誤解されることがありますが、必要に迫られて使っているうちにやらざるを得なくて使えるようになっているだけで、強いということはありません。「必要に迫られる」という状況がスキルアップのチャンスなのだといつも思っています。

コロナの学級閉鎖から「必要に迫られる」

 「必要に迫られる」効果は、今回の交流会での報告にも具体例がありました。

相談支援事業所から担当している小学生がコロナで学級閉鎖になり、親御さんは仕事があるので誰かに預かってもらう必要があるけれど、預けるところがコロナでお休みになったり、利用回数や時間の制限もあったりして、難しく、困ってしまったという相談を受けたそうです。

相談支援事業所としては、何とかしたい気持ちとそうした機会に関わることで本人をより深く知るチャンスにもなるので、託児を受けることにしました。まさに、必要に迫られた故のことです。しかし、学級閉鎖は当初の予定よりもずいぶんと伸び、家庭の仕事の事情では長時間、預かる必要があり、相談支援事業所だけでは対応することはできないことになりました。そうなると、他の事業所にお願いをして何とかするしかありません。

結果として、休眠預金事業で関わっている若者たち、女性支援の拠点やサポーター、幼児さん中心に少人数の療育を行っている地域活動支援センター、そして、女性専用のグループホームでヘルパーの協力を得ての対応と法人内でも5つの事業、関わった人はおそらく10名ほどになったようです。この機会は法人内の相互理解や連携を高め、地域のニーズを理解することにもつながりました。「必要に迫られる」ことをきっかけにニーズのマッチングが連鎖して、ネットワークを広げた実践でした。

「必要に迫られる」のは誰?

地域で生活する方たちの「困ったこと」は突然だったり、イレギュラーだったり、制度やサービスにうまくはまらないことが多いものです。ある意味、リアルの生活の困りごとはそういった方が自然であるともいえます。しかし、今の制度では計画的に予約をしなければサービスを受けられないことも多く、突然でイレギュラーは敬遠されがちです。

「それは困りましたね」「使えるサービスはないんですよ」と言えばそれで終わりですし、ないものを引き受けると収入にならないことのために人や時間や労力を使うことになります。福祉サービスが市場化され、サービス提供するのは労働者が当たり前の今となっては、そうしたリアルニーズに応じるアクションは無駄なこと、非効率的なことでもあり、経営的な視点では余計なこととしてとらえられてしまいます。

しかし、「人の暮らし」「当たり前の生活」は効率とは関係ないところに存在します。それを、効率を重視しなければ苦しくなる現場で応援することの難しさをいつも感じています。福祉制度が進み、サービスが増えても、効率とは無縁の当たり前の暮らしのニーズはどこか置き去りになり、当事者がサービスに合わせることが当たり前になっていきます。当事者が「必要に迫られて」妥協するという実態ともいえるのです。一方で、応援する側も生身の人間なので、限界があり、できることとできないことがあります。福祉事業を経営する者として、働く人に必要以上の負担をかけることもしたくないと思いますが、人手不足の現状もあり、結局は無理ができる人に負担が偏ってしまったり、実際のところ、自分自身が負担を引き受けたりすることにもなります。言い換えると「必要に迫られた」人に負担が偏っていく構造であるともいえます。

そのようなことを考えると、大切なのは「必要」をもっと多くの人たち(社会全体)で共有、合意をして、負担を分け合うこと、そのための仕組みづくりをすることだと思っています。とはいっても、打開策や具体策としてすぐに何とかできることではないのですが、とりあえず、大切なことは言語化し、伝えることから…と思っています。

各事業所からのひと言コメント

ぽれっこ倶楽部

子どもたちの発達状況や特性にあわせ個別活動や集団活動を実施、土曜日・長期休暇は季節の行事、創作活動、レクリエーション等を実施し、豊かな遊びを通して、職員やお友達同士との関わりを大切にしながら、コミュニケーション・社会性のサポートをしています。

Zっと!Scrum

スクラムで一緒に、学んで・遊んで、家ではできないことしませんか!美味しい焼き芋も食べられます!

親子の家

最近は午前中よく近くの公園で雪遊びをしています!
寒くても外が大好きな子ども達です!

休眠預金事業(フレームフリープロジェクト)

支援者向けパンフレットを鋭意制作中!くしろの個性的なコミュニティ、あなたも体験してみませんか?くわしくはこちら

死にトリ(ネットの居場所ポータルサイト)

いつでも困っていることを書き出して整理できる「シニトリ」アプリ配信中です!

ここナプ

3月15日までの事業です!あと少しの期間ですが、無料の生理用ナプキンの配布と、女性の何でも相談を行っています。

コミュニティホーム大川

障害のある大人と、子ども・若者が一緒に生活しています。8歳~66歳までの多様な人たちがいるため、毎日ドタバタしています。多様性を感じたい方は、折を見て遊びに来てください~。

介護ステーションPASS

通院や買物の支援で外出する機会が多い事業所ですが、感染に気を付けながら支援を行っていきます。

ワークサロン

コロナも拡大している中ではありますが、メンバー・スタッフ共に感染予防に気を付け日々対応しています。